文献を知る
日本現代アートの研究や展覧会づくりに資するよう、おもに戦後美術を対象にした重要文献を10のテーマ別に掲げました。この約100本の文献は、文化庁アートプラットフォーム事業(2018–2022年度)によって選出されたものです。同事業では翻訳の質の確保のために「翻訳スタイルガイド」の作成も行われました。NCARは同事業を継承し、引き続き各文献の英訳に取り組んでいます。
翻訳スタイルガイド(文化庁アートプラットフォーム事業)(PDF 993KB)テーマ
学校・教育
美術大学、美術予備校、オルタナティブ・アート・スクールなどを含む「学校」、およびそれらの学校、美術館、広い意味での社会を舞台に展開された、アートに関する/アートを通した「教育」についての多様なテキストを対象とする。このカテゴリーでは、日本における本格的な美術教育の黎明期である明治期から、ジェンダーの問題が教育現場における最重要課題のひとつとして浮上してきた2010年代以降まで、幅広い時代を扱った文章を集める。それにより、近現代日本における美術の「教育」、そしてその現場としての「学校」の内実やその歴史的変遷について浮かび上がらせる。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 北川民次「私の美術教育」『教育美術』4巻3号 (1938年3月): 59–68頁.解題と英訳はこちら
- 森本岩雄「京都芸大の共通基礎教育: ガイダンス実技について」『美』39号 (1973年12月): 15–17頁, 京都: 京都市立芸術大学美術教育研究会.
- 高井一郎「昭和48年度京都芸大共通ガイダンス実技教育について」『美』39号 (1973年12月): 18–22頁, 京都: 京都市立芸術大学美術教育研究会.
- 榎倉康二「反射板としての空間」『美術手帖』29巻427号 (1977年12月号): 98–99頁.
- 宇佐美圭司「演習ゼミ」小林昭夫編『現代美術の基礎: ’70年代の現代美術学習ドキュメント』大阪: アサヒ書房, 1980年, 117–120頁.
- 降旗千賀子「ワークショップ: 日本の美術館における教育普及活動」『Fuji Xerox Art Bulletin』3号 (2008年8月): 4–33頁.解題と英訳はこちら
- 富山妙子「一九四〇年代: 戦時下の東京」『アジアを抱く: 画家人生 記憶と夢』東京: 岩波書店, 2009年, 34–40頁.
- 村上隆,保科豊巳, 海老澤功「日本の美術教育 徹底討論」『美術手帖』第61巻 (通巻928号) (2009年10月): 66–75頁.
- 岡﨑乾二郎「インタヴュー: われ、またアート・ステュディウムに」芸術教育とは何か?: 四谷アート・ステュディウム閉校問題から考える. 閲覧日 2024年1月18日. https://as-artandeducation-archive.tumblr.com.
- 荒木慎也「反・石膏デッサン言説」『石膏デッサンの100年』津: 三重大学出版会, 2016年.解題と英訳はこちら
- 嶋田美子「現代思潮社・美学校のなりたち」美学校編 『美學校1969–2019: 自由と実験のアカデメイア』東京: 晶文社, 2019年, 149–153頁.
アーティスト・ライティング
時期を問わず、日本のアーティストたちによって書かれたエッセイ、日記、論考などを対象とする。このカテゴリーには、内容の面でもスタイルの面でも多彩な、アーティストたちの手で起草・執筆された文章が含まれる。選出の要件として、それらの文章が著者であるアーティスト自身の芸術実践の核となる要素を反映しているか、あるいは作品制作の方法や動機と密接に結びついているという点を重視している。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 岡本太郎「縄文土器論」『みづゑ』558号 (1952年2月): 3–10頁.解題と英訳はこちら
- 吉原治良「抽象絵画の余白」『墨美』21号 (1953年2月): 12–15頁.
- 安谷屋正義「沖縄画壇の展望とその将来: 芸術選賞受賞を時点とする」『新沖縄文学』5号 (1967年春): 136–149頁.
- 高松次郎「世界拡大計画: 不在性についての試論 (概説)」『デザイン批評』3号 (1967年6月): 60–67頁.解題と英訳はこちら
- [芥川(間所)紗織の日記 (1953–1965)]『芸術生活』26巻9号 (1973年9月): 15–21頁.解題と英訳はこちら
- 石内都「無限の黒へ」『モノクローム』東京: 筑摩書房, 1993年, 5–11頁.解題と英訳はこちら
- 大竹伸朗「宇和島美術ノート: ふりむけば便所」『波』31巻11号 (1997年11月): 34–35頁.解題と英訳はこちら
- 村上隆「芸術で起業するということ」『芸術起業論』東京: 幻冬舎, 2006年, 23–74頁.
- 高嶺格「ベイビー・インサドン」『在日の恋人』東京: 河出書房新社, 2008年, 7–18頁.
- ホンマエリ(キュンチョメ)「声枯れるまで: 参加作家の声」「あいちトリエンナーレ・その後」特集『新潮』117巻2号 (2020年2月): 176–177頁.
コレクティヴィズム
戦前の MAVO から、戦後の実験⼯房、具体美術協会、ハイレッド・センター、THE PLAY、美共闘 REVOLUTION 委員会、ダムタイプ、Chim↑Pom に⾄るまで、集団による美術実践は、⽇本の近現代美術史を特徴付ける重要な活動である。宣⾔や機関誌の⽂章、活動に関する批評や研究論⽂など、その集団的な活動について書かれた⽂献を対象とする。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 瀧口修造「公募団体は無用か」『読売新聞』1961年9月20日, 夕刊.解題と英訳はこちら
- 「ハイレッド・センター」『美術手帖』23巻347号 (1971年10月): 70–71頁.解題と英訳はこちら
- 京都市美術館「開催にあたって」『1973京都ビエンナーレ』京都: 京都市美術館, 1973年 (会場: 京都市美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 平野重光「〈集団による美術〉とは何か?」『1973京都ビエンナーレ』京都: 京都市美術館, 1973年 (会場: 京都市美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 五人組写真集編集委員会+5, Equivalent Cinema, 「知ってる人+知ってる人+知ってる人」, ニルヴァナ資料集積─究極表現研究所, Japan Kobe Zero, The Play「あなたがたにとって集団とは何か」『1973京都ビエンナーレ』京都: 京都市美術館, 1973年 (会場: 京都市美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 白川昌生「円環の彼方へ」『日本のダダ: 1920–1970』東京: 書肆風の薔薇, 1988年.解題と英訳はこちら
- 山口勝弘「実験工房」1953年ライトアップ展実行委員会編『1953年ライトアップ: 新しい戦後美術像が見えてきた』[東京]: 目黒区美術館, 1996年, 189–196頁 (会場: 目黒区美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 小山田徹「ダムタイプ: 自己と他者をめぐる考察からコミュニケーションの未来を探る」京都造形芸術大学編『情報の宇宙と変容する表現』 (情報デザインシリーズ: vol. 6). 東京: 角川書店, 2000年, 58–69頁.解題と英訳はこちら
- 高橋芙美子「混沌のなかから: 『越境する女たち21』メイキング・レポート」『あいだ』62号 (2001年2月): 9–16頁.解題と英訳はこちら
- 鈴木勝雄「集団の夢: 五〇年代を貫く歴史的パトス」鈴木勝雄, 桝田倫広, 大谷省吾編『実験場1950s』東京: 東京国立近代美術館, 2012年, 10–39頁.解題と英訳はこちら
- 梅津庸一「パープルームの条件」『Rear: 芸術批評誌』36号 (2016年1月): 138–142頁.解題と英訳はこちら
- 吉良智子「歴史の中の女性コレクティブとひととひと」高橋ひかり, 工藤春香編『女が5人集まれば皿が割れる: 記録集 (여자가다섯이모이면접시가깨진다)』 [出版地不明]: ひととひと, 2021年, 26–27頁 (会場: Buoy) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
評論家
⽇本近現代美術史の⾔説を形成した批評家の仕事を概観する。重要な議論やその展開を対象とし、展覧会や作家に与えた影響も含めて考察して、いかに美術の⾔説が構築されてきたのかを明らかにする。ニューヨーク近代美術館が企画した戦後⽇本美術論集(『From Postwar to Postmodern, Art in Japan, 1945—1989』)と合わせて、⽇本近現代美術史の多様な側⾯にも注⽬する。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 中原佑介「『見せもの』の批評」『文学』24巻12号 (1956年12月): 43–50頁, 岩波書店.解題と英訳はこちら
- 東野芳明「作品選考に美的イデーの確立を: 『新しい日本絵画展』への提唱 」『美術手帖』154号 (1959年3月): 17–19頁.解題と英訳はこちら
- 宮川淳「影の侵入」『美術手帖』261号 (1965年12月増刊号): 73–76頁.解題と英訳はこちら
- 日向あき子「異星のモラル: 少女マンガの魅力」『伝統と現代』48号 (1977年9月): 30–39頁.解題と英訳はこちら
- 建畠晢「生成するタブロー: 具体美術協会の1950年代」国立国際美術館編『絵画の嵐・1950年代: アンフォルメル, 具体美術, コブラ』[吹田]: 国立国際美術館, 1985年, 14–19頁 (会場: 国立国際美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 笠原美智子「写真とジェンダー: 石内都と神蔵美子の作品に触れて」鈴木杜幾子, 千野香織, 馬渕明子編著『美術とジェンダー: 非対称の視線』東京: ブリュッケ, 1997年, 359–376頁.解題と英訳はこちら
- 長谷川祐子「デ・ジェンダリズム」『デ・ジェンダリズム: 回帰する身体』京都: 淡交社, 1997年, 24–30頁. (会場: 世田谷美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- ヨシダ・ヨシエ「『原爆の図』を背負って」『ヨシダ・ヨシエ全仕事』東京: 芸術書院, 2005年, 229–251頁.解題と英訳はこちら
- 光田由里「野島康三: 写真の存在論」『野島康三写真集』東京: 赤々舎, 2009年, 153–181頁.解題と英訳はこちら
- 椹木野衣「後美術論 <第二部・流浪篇> 第1回 再考『悪い場所』 (前編)」『美術手帖』66巻1000号 (2014年3月): 174–192頁.
- 岡﨑乾二郎「聴こえない旋律を聴く」Web ちくま. 更新日 2019年8月19日. https://www.webchikuma.jp/articles/-/1808.
さらに詳しく
「評論家」についてさらに知るには以下リストをご覧ください。
Further Readings on Critics (PDF 500KB)日本語のみ/全16ページ
最終更新日:2023年3月31日
作成:文化庁アートプラットフォーム事業
展覧会・出来事・場
⽇本で開かれた重要な展覧会に関する⽂献を対象とする。戦後⽇本美術史は、作品と批評を中⼼に議論されることが多かったが、それを可能にする展覧会については⼗分に議論されてこなかった。まだ翻訳されていない展覧会カタログの⽂章や関連する論考、展覧会評や関係者の証⾔、研究論⽂などを取り上げることで、展覧会が⽇本近現代美術史の形成に果たした重要な役割を明らかにする。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 東野芳明「さようなら読売アンデパンダン展」『美術手帖』234号 (1964年4月): 11–14, 27頁.解題と英訳はこちら
- 中原佑介「Tricks and Vision」『Tricks and Vision展: 盗まれた眼』[出版地不明: 出版者不明], 1968年 91頁 (会場: 東京画廊, 村松画廊) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- ヨシダ・ヨシエ「松沢宥・闇を透徹する共同体」『美術手帖』24巻360号 (1972年11月): 26–48頁.解題と英訳はこちら
- 萬木康博「1950年代: その暗黒と光芒」東京都美術館編『1950年代: その暗黒と光芒. 現代美術の動向: 1』東京: 東京都美術館, 1981年, 76–77頁 (会場: 東京都美術館). [展覧会カタログ].
- 斉藤泰嘉「現代美術の動向 II: 反芸術的傾向を中心に」東京都美術館編『1960年代: 多様化への出発. 現代美術の動向: 2』東京: 東京都美術館, 1983年, 11–15頁 (会場: 東京都美術館). [展覧会カタログ].
- 萬木康博「『1970年以降の美術: その国際性と独自性』展について」東京都美術館編『1970年以降の美術: その国際性と独自性. 現代美術の動向: 3』東京: 東京都美術館, 1984年, 9–11頁 (会場: 東京都美術館). [展覧会カタログ].
- 東野芳明「南画廊」『文化の仕掛人: 現代文化の磁場と透視図』東京: 青土社, 1985年, 411–444頁.解題と英訳はこちら
- 小池一子「さなぎ、羽ばたく」『空間のアウラ』東京: 白水社, 1992年, 24–38頁.解題と英訳はこちら
- 正木基「野を開く鍵」『美術手帖』44巻661号 (1992年11月): 89–97頁.解題と英訳はこちら
- 矢口國夫「求められる国際性と創造性」『美術手帖』47巻705号 (1995年4月): 110–119頁.
- 近藤幸夫「複数性のなかの単一性: 大衆社会における表現者の位置について」『都市の情景: 複数性のなかの単一性』 (今日の作家展: 第33回). 横浜: 横浜市民ギャラリー, 1997年, 9–11頁 (会場: 横浜市民ギャラリー) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 巌谷國士「瀧口修造の新しい季節: タケミヤ画廊の終幕まで」佐谷画廊編『瀧口修造とタケミヤ画廊. オマージュ瀧口修造展: 26』東京: 佐谷画廊, 2005年, 6–33頁 (会場: お茶の水画廊).
- 小勝禮子「日本の美術館におけるジェンダーの視点の導入をめぐって」『Image & gender: イメージ&ジェンダー研究会機関誌』7巻 (2007年3月): 14–25頁.解題と英訳はこちら
- 「美学校史: 開校から2019年まで」美学校編 『美學校1969–2019: 自由と実験のアカデメイア』東京: 晶文社, 2019年, 54–76頁.解題と英訳はこちら
日本のアートとフェミニズム
フェミニズムやジェンダーの視点から書かれた⽇本近現代美術史に関する⽂献、さらには、⼥性作家の声明⽂やインタビュー、⼥性の視点から書かれた美術批評も対象とする。⼥性の作家、批評家、キュレーターの重要な活動を明らかにすることで、従来の⽇本美術史やその価値観に挑みながらその可能性をさらに広げることを⽬指す。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 三岸節子「女流画家の歴史」『BBBB』4号 (1950年3月): 40–44頁.解題と英訳はこちら
- 岸本清子「資料: 岸本清子1983年参議院選挙政見放送 (NHKラジオ放送)」“女性とアート” プロジェクト編『ネオダダから21世紀型魔女へ: 岸本清子の人と作品』横浜: “女性とアート”プロジェクト, 1997年, 59–60頁.解題と英訳はこちら
- 富山妙子, 嶋田美子, レベッカ・ジェニスン「証言とアート」『現代思想』第25巻10号 (1997年9月): 36–62頁.解題と英訳はこちら
- 光田由里「平日の昼間の公園: 『女性の肖像: 日本現代美術の顔』展の反省」『構造』第12号 (1997年10月): 26–36頁.解題と英訳はこちら
- 北原恵「日本の美術界における『たかが性別』をめぐる論争: 1997–98」『インパクション』110号 (1998年10月): 96–107頁.解題と英訳はこちら
- 小勝禮子「戦後の『前衛』芸術運動と女性アーティスト1950–60年代」小勝禮子, 由本みどり編『前衛の女性1950–1975』宇都宮: 栃木県立美術館, 2005年, 9–17頁 (会場: 栃木県立美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 笠原美智子「やなぎみわ作品に見る現代日本女性の意識: 『日本の化粧文化 化粧と美意識』に寄せて」『ジェンダー写真論: 1991–2017』川崎: 里山社, 2018年, 337–353頁. 解題と英訳はこちら
- 吉良智子「戦争美術展における『銃後』の図像」『20世紀の女性美術家と視覚表象の調査研究: アジアにおける戦争とディアスポラの記憶. 2008年度–2010年度科学研究費補助金・基盤研究(B)報告書』大阪: 北原恵, 2011年, 11–29頁.解題と英訳はこちら
- Kojima, Kaoru「The Woman in Kimono: An Ambivalent Image of Modern Japanese Identity」『実践女子大学美學美術史學』25号 (2011年3月): 1–15頁.解題と英訳はこちら
- 「女性アート・コレクティブの現在。小田原のどか×百瀬文 対談 (前編) 」 (シリーズ: ジェンダーフリーは可能か?: 10). 美術手帖. 公開日 2019年11月30日. https://bijutsutecho.com/magazine/series/s21/20980解題と英訳はこちら
- 小田原のどか「なぜ女性の大彫刻家は現れないのか?」『美術手帖』73巻1089号 (2021年8月): 92–97頁.解題と英訳はこちら
さらに詳しく
「日本のアートとフェミニズム」についてさらに知るには以下リストをご覧ください。
Further Readings on Feminism and/in Japanese Art (PDF 775KB)日本語のみ/全8ページ
最終更新日:2023年3月31日
作成:文化庁アートプラットフォーム事業
アジアの中の日本
美術における⽇本とアジアの関係 、⽇本に移住したアジア他地域の作家の経験や、⽇本からアジア他地域に移住した作家の経験、帝国主義と脱植⺠地化などを取り上げた⽂献を対象とする。戦後「⽇本」という国⺠国家の枠組みの内部で近現代美術史を語ることで隠されてきたトランスナショナルな歴史に焦点を当てる。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 曺良奎「マンホール画家北朝鮮に帰るの記」『芸術新潮』11巻11号 (1960年11月): 182–190頁.解題と英訳はこちら
- 黒田雷児「アジア現代美術: 『ブーム』の表と裏」『季刊アート・エクスプレス』6号 (1995年春): 32–42頁.解題と英訳はこちら
- 蔡國強「蔡國強氏に聞く『芸術の国際化と作家の立場』」阿部大雅, 武田憲人, 武田将明, 土井伸朗 (インタビュアー). 『文芸総合誌シュトルム』7号 (1996年): 106–115頁.解題と英訳はこちら
- 「鼎談 アジア美術館ができるまで」『アジアの美術: 福岡アジア美術館のコレクションとその活動』改訂増補版. 東京: 美術出版社, 2002年, 133–139頁.解題と英訳はこちら
- 針生一郎「『2002アルン展』の意義: わたしの韓国・朝鮮文化交流史から」Areum Art Network編『2002アルン展: 在日コリアン美術を起点として』[大阪]: Areum Art Network, 2002年, 6–8頁 (会場: 京都市美術館, 京都市国際交流会館, アートスペース虹, 京都教育文化センター).解題と英訳はこちら
- 古市保子 「アジアの新たな関係性の構築に向けて: 国際交流基金アジアセンターの活動」『美術フォーラム21』11号 (2005年2月): 50–56頁.解題と英訳はこちら
- 後小路雅弘「日本軍政と東南アジアの美術」『哲学年報』72輯 (2013年3月): 49–72頁, 福岡: 九州大学大学院人文科学研究院.解題と英訳はこちら
- 稲賀繁美「『化膿』としての翻訳: 土田麦僊・金素雲・梶山季之」『絵画の臨界: 近代東アジア美術史の桎梏と命運』名古屋: 名古屋大学出版会, 2014年, 373–389頁.
- 古川美佳「近年、日本における韓国美術の受容とその意識」『コリア研究』9号 (2018年12月): 51–64頁.解題と英訳はこちら
1980年代
1980年代は、絵画と彫刻に対する関心が再び高まり、ニューペインティングと呼ばれる新表現主義的な絵画が登場した時代である。それと同時に、インスタレーション形式の作品が発表され、女性アーティストの活動が注目を集めた。関西では若手作家を中心とする活発な動きがあり、実験的なグループ展が企画・開催された。また、1980年代末には海外で同時代の作品が活発に紹介され始めた。作家・批評家による同時代の証言から研究者による後年の考察まで、1980年代を特徴づけるこうした動向に関する文献を対象とする。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 前本彰子「前本彰子: 私を見ているワタシ (作家訪問)」『美術手帖』35巻517号 (1983年11月): 120–125頁.
- 高間準「ポリモード宣言」『Pelican club』13号 (1983年5月): 48–51頁, 京都: 21世紀社.
- 辰野登恵子「絵画のイメージ」河添剛 (インタヴュアー)『Position: Art critique magazine』1号 (1984年10月): 63–65頁, 東京: ポジション社.
- 榎本了壱「描くことの快楽, 見せることの欲望: イラストレーションからタブローへ」『美術手帖』37巻552号 (1985年11月): 54–58頁.
- 篠原資明「超少女身辺宇宙」『美術手帖』38巻556号 (1986年8月): 66–71頁.
- 尾野正晴「若い画家への手紙」『A & c: art & critic. 関西の現代芸術批評誌』4号 (1988年1月): 1–4頁, 京都芸術短期大学芸術文化研究所.
- 近藤幸夫「1980年代の日本の現代美術にみるインスタレーションとアイデンティティーの問題」『「トランシジョン: 変貌する社会と美術」報告書: 第32回国際美術評論家連盟大会. 国際美術評論家連盟日本大会』東京: 美術評論家連盟, 1999年.解題と英訳はこちら
- 坂上しのぶ「80年代考: 80年代ニューウェーブをめぐって」椎名節, 坂上しのぶ, 保谷香織編集『引込線: 所沢ビエンナーレ・プレ美術展』[狭山]: 所沢ビエンナーレ実行委員会, 2008年 (会場: 西武鉄道旧所沢車両工場).解題と英訳はこちら
- 椹木野衣「『アール・ポップ』から始める: 80年代の美術をめぐって」『美術手帖』71巻1076号 (2019年6月号): 98–113頁.
写真とメディア
写真や映像、コンピューターなどの新しい技術を⽤いて作品を制作し、新たな表現の可能性を追求した作家やその作品に関する⽂献を対象とする。新しい技術の導⼊はしばしば、⼥性作家を含む周縁的な位置から⾏われており、従来の美術に対する批判的な企てでもあったため、それに関する論考は、技術論にとどまらないものが少なくない。技術に対する美術家の関⼼は世界的な広がりをもつため、同時代の他の地域の作家やその議論との⽐較も視野に⼊れる。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 名取洋之助「記号としての写真」『写真の読みかた』(岩波新書). 東京: 岩波書店, 1963年, 46–74頁.解題と英訳はこちら
- 大辻清司「主義の時代は遠ざかって」『カメラ毎日』15巻7号(通号174) (1968年6月): 15–18頁.解題と英訳はこちら
- 出光真子「無意識を観察する」『月刊イメージフォーラム』2巻3号 (1981年1月): 58–65頁.解題と英訳はこちら
- 秋山邦晴「草月アート・センター」秋山邦晴ほか『文化の仕掛人: 現代文化の磁場と透視図』東京: 青土社, 1985年, 445–498頁.解題と英訳はこちら
- 山口勝弘「映像へ離脱してゆく世界: 福島秀子1948–1988」『美術手帖』44巻657号 (1992年8月): 131–142頁.解題と英訳はこちら
- 西本雅実「原爆記録写真: 埋もれた史実を検証する」『広島平和記念資料館資料調査研究会研究報告』4号 (2008年3月): 1–9頁.
- 吉岡洋「メディアアートという文化」『美術フォーラム21』30号 (2014年11月): 125–129頁.解題と英訳はこちら
- 中村史子「褥としての鷹野隆大《おれとwith KJ#2 (2007)》」『愛知県美術館研究紀要』21号 (2015年3月): 54–63頁.解題と英訳はこちら
- 清水健人「コンニチのメディアテークとインスタレーション: あとがきにかえて」細谷修平, 清水建人編集『コンニチハ技術トシテノ美術』仙台: せんだいメディアテーク, 2018年, 110–117頁 (会場: せんだいメディアテーク) [展覧会カタログ].
- Nagashima Yurie.「『誰もやらないから、自分でやるしかない』写真家・長島有里枝が言葉で語り続ける理由」Miwa Goroku (インタヴュアー). The Fashion Post. 公開日2020年4月21日. https://fashionpost.jp/portraits/180108解題と英訳はこちら
環境/社会/制度
深刻化する地球規模の環境問題を考察する美術実践を視野に⼊れつつ、展⽰施設や芸術祭のあり⽅など、⽇本における美術の「環境」を論じる⽂献を対象とする。本質主義的な傾向がある国⺠⽂化論を乗り越えて、⽇本において社会制度が美術をいかに形作ってきたか、また作家が社会制度とどう向き合ってきたかを考察する。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
- 曹良奎 [曺良奎], 針生一郎「北朝鮮に帰った曹良奎: その現実と絵画/自己と表現の問題」『美術ジャーナル』15号 (1960年12月): 24–37頁.
- 赤瀬川原平「“資本主義リアリズム”論」『日本読書新聞』1246号 (1964年2月24日)解題と英訳はこちら
- 中谷芙二子「空気と水」『美術手帖』22巻330号 (1970年7月): 105–108頁.解題と英訳はこちら
- 菊畑茂久馬「フジタよ あなたは…: 太平洋戦争記録画からの考察」『美術手帖』24巻353号 (1972年3月): 174–187頁.解題と英訳はこちら
- 堤清二「時代精神の根拠地として」大岡信, 岡田隆彦, 紀国憲一, 小田勝四監修『日本現代美術の展望』[東京]: 西武美術館, 1975年 (会場: 西武美術館) [展覧会カタログ].解題と英訳はこちら
- 多木浩二「『御真影』の誕生」『天皇の肖像』(岩波新書). 東京: 岩波書店, 1988年, 113–153頁.解題と英訳はこちら
- 岡﨑乾二郎, 田崎英明, 椹木野衣「世界の賭金・歴史の配当: 世界史ゲームのためのルール・ブック」『Frame: Art & conflict』2号 (1991年2月): 5–17頁.解題と英訳はこちら
- 川俣正「マイノリティとしての現代美術: コミュニティの新しい触媒」『アートレス: マイノリティとしての現代美術』東京: フィルムアート社, 2001年, 166–187頁.解題と英訳はこちら
- 藤田直哉「前衛のゾンビたち: 地域アートの諸問題」『すばる』36巻10号 (2014年10月): 240–253頁.解題と英訳はこちら
- 馬定延「三上晴子 “Suitcases 1993 | 2020”」Relations. 公開日 2020年10月. https://relations-tokyo.com/2020/10/01/seiko-mikami-suitcases-1993-2020-ja解題と英訳はこちら
Introductory Readings on Contemporary Japanese Art
日本の現代アートを学ぶ人のための英語の基礎文献リスト。
選出方針については、文化庁アートプラットフォーム事業翻訳事業をご覧ください。
英語のみ/全14ページ
最終更新日:2023年3月31日
作成:文化庁アートプラットフォーム事業