Bunka-cho Art Platform Japan Translation Workshop:翻訳と出版プロセス

2022年12月7日

アーカイブ動画をご視聴いただけます。

翻訳ワークショップ



日程: 2022年12月7日(水)12:00‒13:00
参加方法: ZOOMウェビナー
登壇者: 大舘奈津子、神谷幸江、アンドリュー・マークル
言語: 日本語(同時通訳なし)

日本の戦後美術および現代美術をリサーチするにあたり、研究者やキュレーターに欠かせない資料のひとつが展覧会カタログなどの文献です。研究の成果を発表するものとして、また展示の記録として、作家や作品についてだけでなく、その文脈を理解する上で重要であり、将来に残すべき資料です。
こうした図録や出版物などにおける英訳の作成、またその出版に向けたプロセスを改めて確認するワークショップを開催します。
文化庁アートプラットフォーム事業では、日本における文脈や言説の形成が海外からも見えるように、日本現代美術に関する重要文献を翻訳し、ウェブサイトで公開してきました。また、翻訳、クロスチェック、校閲というプロセスを導入し、日本語を翻訳する際のスタイルガイドを作成するなど、美術翻訳の質的向上にも力を入れてきました。
翻訳の質の向上を目指しながら、さらにその翻訳原稿を出版というアウトプットへと繋げるためには、どのようなことが必要か。バイリンガルもしくは他言語での出版にはどのような形があり、それぞれ何を重要と考えるか。本事業で翻訳プロジェクトを進めている大館奈津子氏をモデレーターに、国内外でカタログ出版経験のあるキュレーター、評論家の神谷幸江氏、翻訳家、編集者のアンドリュー・マークル氏をお招きし、お話をうかがいます。

本ウェビナーは日本語で行います。(同時通訳はございません)

登壇者プロフィール(敬称略)

大舘奈津子日本現代アート委員会委員/翻訳事業意見交換会メンバー/芸術公社/一色事務所

大舘奈津子の写真

©Yamamoto Naoaki

⼀⾊事務所にて、荒⽊経惟、森村泰昌、笠原恵実⼦、やなぎみわ、藤井光のマネジメントに携わる。2010 年よりウェブマガジン「ARTiT」の編集を兼任。『ヨコハマトリエンナー レ 2014』ではキュレイトリアル・アソシエイツを務めた。これまで担当したプロジェクトとして『やなぎみわ:Windswept Women-The old Girls’ Troupe』(ヴェネツィアビエンナーレ⽇本館、2008 年)、『Yasumasa Morimura:Theater of Self 』(ウォーホール美術館、ピッツバーグ、2013 年)『荒⽊経惟 往⽣写集』(豊⽥市美術館、新潟市美術館、資⽣堂ギ ャラリー他、2014年)『Yasumasa Morimura: Ego Obscura』(Japan Society、 ニューヨーク、 2018年)など。ここ最近はRefreedom_Aichiや Art for All、表現の現場調査団等、アーティストたちが具体的な課題解決のために取り組む現場に運営として関わることで、新たな協働の形を探っている。

神谷幸江日本現代アート委員会委員/キュレーター/美術評論

神谷幸江の写真

©Ben Warren

ジャパン・ソサエティー(ニューヨーク)ギャラリー・ディレクター、広島市現代美術館学芸担当課長、ニューミュージアム(ニューヨーク)アソシエイト・キュレーターを歴任。国内外でアジア地域、異分野を横断する展覧会を企画。様々なカタログ執筆、出版に携わる。共同キュレーターとして第12回上海ビエンナーレ(2018‒19)、「ふぞろいなハーモニー:アジアという想像力についての批評的考察」(2015‒18)、「Re:Quest─1970年代以降の日本現代美術」(2013)などを手がける。2011年西洋美術振興財団学術賞を受賞。AICA(美術評論家連盟)会員。共著に『Hiroshi Sugimoto: Gates of Paradise』(Skira/Rizzoli、2017)、『Ravaged: Art and Culture in Times of Conflict』(Mercatorfonds、2014)、『Creamier –Contemporary Art in Culture』(Phaidon、2010)などがある。

アンドリュー・マークルアートライター/エディター/翻訳家

アンドリュー・マークルの写真

©Koshima Yukiko

東京を拠点とするアートライター、エディター、翻訳家。日英バイリンガルのオンライン・アート・プラットフォーム「ART iT」の副編集長であり、海外のアート・ジャーナル『Artforum』『frieze』などに寄稿している。2006年から08年までニューヨークの雑誌『ArtAsiaPacific』の副編集長を務め、年鑑AAP Almanacの創刊に携わった。マークルが中国語や日本語から英語へ翻訳したテキストは、数多くの書籍や展覧会カタログに掲載されている。書籍翻訳として、中国語から翻訳したフー・ファンの『Towards a Non-Intentional Space, vol. 1』(Koenig Books, 2016)や日本語から翻訳した田中功起の『How to Live Together: Production Notes』(Skulptur Projekte Münster, 2017)、主な出版物に、『Kishio Suga: Writings, vol. 1, 1969‒1979』(Skira, 2021)などがある。2019年、文化庁アートプラットフォーム事業の創設委員、20年から21年にかけて翻訳プロジェクトのエディトリアル・ディレクターを務めた。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科非常勤講師。