- 作家名
毛利 悠子
MOHRI Yuko
- 作品名
- I/OI/O
- 制作年
- 2011-16
- 材質、技法
- ロール紙、竹炭、ベルリラ、ハタキ、ブラインド、電球、スプーン、モーター、木材ほかRoll paper, bamboo charcoal, bell-lyras, dusters, blind, lights, spoon, motor, wood, etc.
- 寸法、時間等
- インスタレーションサイズ可変
- 所蔵
- 東京都現代美術館Museum of Contemporary Art Tokyo
- 所蔵番号
- 2016-00-0010-000
- 備考
- 毛利悠子(1980-)は、機械や電子部品と古い楽器や日用品などを組み合わせ、人工と自然とが有機的に関わり合い、展示空間が生気を帯びながら静かに律動しているようなインスタレーションを制作しています。rn《I/O》と名付けられた本作品では、木枠のついた構造体から垂れ下がるロール紙がモーターによって緩慢に回転し、床の埃を付着させると、センサーが汚れを信号として読み取り[input]、それがトリガーとなって電球の瞬きやベルリラの音、毛ばたきやブラインド、トイレットペーパーの動き、それが垂れる水槽の水面へと波紋を広げていきます[output]。ロール紙はループ構造となっているため、回転する度に受けるフィードバックがオブジェの動きを増幅/減速させて、作品の表情をまた変化させていきます。rn展示室に溜まる埃や構造体を動く紙のヨレといった要素は予測できない「エラー」とも捉えられますが、それらが紙に刻まれることで豊かな演奏を導く終わりのない譜面となります。毛利は自身のコントロールが及ばない、展示空間における空気の流れ、重力や静電気といった環境に内在する「目に見えない力」をも作品に引き入れて、展示空間全体を生態系のように働くシステムのように構成しているのです。rn本作を着想したのは2011年、東日本震災の後、オーストラリアのパースでの展示の機会だったといいます。タイトルは「Input/Output」、そして展示場所が隣接していたインド洋[Indian Ocean]に因んで名付けられました。毛利が制作中に眺めたインド洋の波の流れが、視覚情報が押し寄せる現代生活の時間感覚を緩めるように、ロール紙のゆっくりした動きとリンクしています。
- 東京都歴史文化財団「Tokyo Museum Collection (ToMuCo)」より取得した収蔵品データ. 取得日2022-01-21.
- 2024-12-10