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文化庁現代アートワークショップ:アーカイブ動画公開

2022年1月28日、29日

ワークショップ

1月28日、29日に開催した文化庁現代アートワークショップからオンライン公開された一部セッションのアーカイブ動画をご視聴いただけます。

文化庁現代アートワークショップ

開催趣旨

2018年度に始動した文化庁アートプラットフォーム事業は、国際的な専門家の相互ネットワーク構築を目指して「文化庁現代アートワークショップ」を開催し、2022年度末までに国際的な展覧会の実現等、グローバルな人的ネットワークを活用した成果に辿り着くことを想定してきました。しかし、コロナ禍により世界各地の美術館が閉館し、展覧会プログラムは大幅に変更され、入場料収入等も大幅に減少しているこの状況下では、国際輸送を含む展覧会開催の見通しが立たない機関も少なくありません。
こうした中、2021年度の本事業では、国内美術館の現状を共有しつつ、海外での展示および国内巡回の可能性について具体的な提案を募り、議論する機会とするため、第3回文化庁現代アートワークショップ(招待制)を開催する運びとなりました。海外のインスティテューションにおける具体的な事例紹介も踏まえながら、参加者同士の国際的ネットワークを通し、実現可能なアイデアについて、深い議論をいたします。
ワークショップ中に、日本人および日本で活動するアーティストの実践を紹介するセッションや、「アジアの近代美術と日本」をテーマとしたアカデミックな議論の場も設けることで、日本現代アートの国際発信の可能性について包括的に検討する機会とします。可能な限り、海外からの参加者ともオンラインでつなぎ、国際的な共同研究の可能性についても引き続き議論します。

1月28日(金)17:30-20:00

セッション2
アーティスト・プレゼンテーション

感染予防として⼈的接触が極端に避けられる特殊な緊急状況に、一部のアーティストは素早く応じて制作を行った。その経緯や実践についてアーティストが語る。また、パンデミックによってストレステストを受けたような状態で社会の脆弱性が浮き彫りとなったなか、アーティストが労働環境の改善に声を上げたり、新たなつながり方を模索したりする例も⾒受けられる。そのいくつかを紹介するとともに、社会の土壌をケアしようとする活動について話す機会としたい。


◎モデレーター:大舘奈津子(芸術公社/一色事務所)、成相肇(東京国立近代美術館)
◎発表者:飯山由貴、大岩雄典、布施琳太郎、渡辺志桜⾥
登壇者詳細

1月29日(土)9:30-12:00

セッション3
ポストパンデミック時代における展覧会づくり・手法の可能性

ポスト・パンデミック時代の実践的な展覧会メイキングの可能性について、ケーススタディー発表および論議を行う。移動・輸送に制限の生じる現在、サステナブルな展覧会制作を勘案し、1)映像作品の保存、またデジタル化による再現・展示、2)資料やエフェメラなどアーカイブを取り入れた展覧会の構成と充実について、以下の展覧会や活動を例とし、発表、論議する。Racial Equalityが社会的課題として求められるなかで、アジア人アーティストの紹介をどのように継続的に実現するかの一考。


◎モデレーター:神谷幸江
◎発表者:
足立アン(Collaborative Cataloging Japan)、田坂博子(東京都写真美術館)、
エリカ・ペイパーニク・シミズ(ニューヨーク近代美術館)、橋本梓(国立国際美術館)
登壇者詳細

1月29日(土)17:00-19:30

セッション5
東アジアにおける官設展覧会と日本

主として1930年代後半から1945年までの間にソウル、台北、長春で開催された官設展覧会を中心に、東アジアと日本の美術について考察する。2014年に福岡アジア美術館、府中市美術館、兵庫県立美術館で開催された展覧会「官展にみる近代美術 東京・ソウル・台北・長春」以後の研究成果を踏まえて、官設展覧会や関連する日本人の美術家の動向などを学術的・多角的に論じる。


◎モデレーター:稲賀繁美(京都精華大学)
◎発表者:
喜多恵美子(大谷大学)、王宇鵬(中国広西師範大学美術学院)、江川佳秀(徳島県立近代美術館)
コメンテーター:ラワンチャイクン寿子(福岡アジア美術館)
オブザーバー:加治屋健司(東京大学大学院)
登壇者詳細