- 作家名
大岩 オスカール
OIWA, Oscar
- 作品名
- ホワイトオス(カー) 森White Os (Car) - Forest
- 制作年
- 2000
- 材質、技法
- 油彩/カンヴァスOil on canvas
- 寸法、時間等
- 227×444
- 所蔵
- 東京都現代美術館Museum of Contemporary Art Tokyo
- 所蔵番号
- 2008-00-0026-000
- 備考
- 大岩オスカールは、1965年、日系二世としてブラジルのサンパウロに生まれ、日本での生活(1991-2002年)を経た後、現在ニューヨークを拠点に活動している画家である。身の回りの社会事象や歴史、映画やマンガなどを自在に参照、構成し、巧みな筆捌きをもって大画面の油彩画に取り組んでいる。私的な物語性も含みながらもスケール感のある作品は、グローバリズムを迎えた現代社会の在りさまを映すものとして近年ますます評価を高めており、世界的に発表が相次いでいる。大岩の住居が当館近隣の足立区であったこともあり、当館ではこの時期の作品を多数所蔵している。rn《ホワイト(オス)カー 森》は、作家自宅の周辺に取材して描かれた作品。路地を進む白い車は、タイトルにあるように自身の分身であり、いわば一種のセルフポートレイトと言える。絵の前に立つと、やや歪んだ一点透視法の効果がやわらかに重ねられた筆触とゆるやかに響きあって、絵画の中に誘導されるように感じるだろう。画面の手前と奥とでは描かれている時間が異なっているように見え、空には町を包み込むように枝葉が広がっているが、一方で、この町が水の底にあるかのようにも見える…。いくつもの時間を折り重ねたこの作品は、自分の住む町の魅力的な表情をあますところなく伝えるとともに、内部から光を発するような葉と空の表現が月並みな路地を特別な場所へと変容させる。大学では建築を学んだ大岩の、都市や環境、建物や構図といったものへの関心と、柔らかく速い筆さばき、油彩の質感、そして私的な物語…。作家の特徴が見られる東京時代の代表作と言えよう。
- 東京都歴史文化財団「Tokyo Museum Collection (ToMuCo)」より取得した収蔵品データ. 取得日2022-01-21.
- 2024-12-10