W412217

《「名前はなんていうんだい」お互い同類で、よく知ってるはずなのに、彼は定規を使って設計図を描いたりしなかったから、路上で分別されて放り出されてしまった。毎日欠かさず誰かがやってきて何か壊していく。「ならば、みんなに聞こえるよう楽譜を拡げておきましょう」、蟋蜂が一匹、泥溝から顔をのぞかせ、自分の鳴き声への返事を待っている。》 《「僕の名前なら知っているだろう」問われて、その場から姿をくらます。どぎまぎ、とっとと畑を直線で突っ切って走ってったら、草叢のあいだの泥溝に落っこちた。汲んできたばかりの水を井戸に注ぐように、向こうから大声で呼ぶ声がする。たぶん目からは涙があふれ、「僕が見えますか、早くしないと目覚めているひとは誰もいなくなってしまう!」》

岡崎乾二郎

Artist

岡崎乾二郎

Title
《「名前はなんていうんだい」お互い同類で、よく知ってるはずなのに、彼は定規を使って設計図を描いたりしなかったから、路上で分別されて放り出されてしまった。毎日欠かさず誰かがやってきて何か壊していく。「ならば、みんなに聞こえるよう楽譜を拡げておきましょう」、蟋蜂が一匹、泥溝から顔をのぞかせ、自分の鳴き声への返事を待っている。》 《「僕の名前なら知っているだろう」問われて、その場から姿をくらます。どぎまぎ、とっとと畑を直線で突っ切って走ってったら、草叢のあいだの泥溝に落っこちた。汲んできたばかりの水を井戸に注ぐように、向こうから大声で呼ぶ声がする。たぶん目からは涙があふれ、「僕が見えますか、早くしないと目覚めているひとは誰もいなくなってしまう!」》
Year
2004年
Medium
アクリル・カンヴァス 2点
Collection
高松市美術館Takamatsu Art Museum
Accession number
1474
  • Data created by Takamatsu Art Museum. Provided December 22, 2020.
  • 2024-12-10
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