- Artist
嶋本 昭三
SHIMAMOTO Shozo
- Title
- 作品(穴)Work (Holes)
- Year
- 1950-52
- Medium
- 白ペンキ、鉛筆/新聞紙Paint (white), pencil on newspaper
- Dimensions/duration
- 194×130.6
- Dimensions unit
- cm
- Collection
- 東京都現代美術館Museum of Contemporary Art Tokyo
- Accession number
- 1975-00-0238-000
- Notes
- 無残に破れ傷ついた画面が眼前にある。何か手荒な力が加えられた表面は、亀裂や穴となり、画面の向こう側をのぞかせる。めくれた表面の下からは古新聞が顔を出し、穴からは重なった新聞の断層が見え隠れする。人の手によって作りだされた傷痕と、そこから生まれる表層と内層の複雑なマテイエールは、むしろ豊かな表現効果を生みだしている。rn作家としてのスタートを切ったばかりの嶋本昭三は、当時経済的な理由から新聞紙を何枚も重ね、糊でかためた私製カンヴァスを使って絵を描いていた。ある時、その上を何度となく力を込めて鉛筆で線描を引くうちに、古新聞に鉛筆は突き刺さり、穴が偶然に生まれていたという。作家の激しい行為がそのまま凍結されたようなこの「穴」の連作に、厳しい師であった吉原治良も惜しみない賞賛をおくったらしい。後に彼らが創設する「具体美術協会」の理念にも通じる、人間と物質との激しい格闘の跡を見るような本作品は、数年後機関紙『具体』の創刊号を飾っている。
- Data extracted from ToMuCo Tokyo Museum Collection by Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture (Tōkyōto Rekishi Bunka Zaidan). Extracted January 21, 2022.
- 2022-02-17
- 2024-12-10