- Artist
橋口五葉/画 小池政造/彫 染川勘造/摺
Hashiguchi Goyo, Koike Seizo, Somekawa Kanzo
- Title
- 紅筆を持てる女Woman Holding a Lipstick Brush
- Year
- 1920
- Dims/Durs
- 41.7 x 28.5
- Collection
- 江戸東京博物館The Edo-Tokyo Museum
- Accession number
- 6200444
- Notes
- <p class="p1">手鏡をのぞきながら、舞妓が唇にそっと紅をさす姿を描いた木版画。結い上げられた艶やかな黒髪は、無数の線の調子を微妙に変えながら、本当に髪の毛一本一本がそこにあるかのように生え際から見事に表されている。絞り染めの髪飾りも緻密に書き込まれ、彫刻刀で彫られた版木の凹凸によってこの繊細な表現がなされているのは驚きだ。</p><p class="p1"> 帯や手鏡には濃い赤が、口紅や襟、髪飾りにはやや淡い朱色が使われている。着物の緑や、柄に使われる青が、画題にもある口紅はもちろん、画面の中の赤い色を一層鮮やかなものにしている。そしてこれらの色彩が引き立てるのは、舞妓の透き通るような白い肌の美しさだ。さらに背景には雲母擦(きらずり)と呼ばれる技法で光沢が生まれ、画面に華やかさを加えている。</p> <p class="p1"> 作画者の橋口五葉は、東京美術学校西洋画科在学中から雑誌の挿絵を描き、夏目漱石の『吾輩ハ猫デアル』をはじめ多くの書籍の装丁を手掛けた。また、三越呉服店の懸賞広告で一等を獲得するなどデザインの分野でも才能を発揮した。一方で、版元渡辺庄三郎との「新版画」制作をきっかけに木版画に打ち込み、静けさの中にも情感あふれる女性像の数々を生み出した。</p>
- Data extracted from ToMuCo Tokyo Museum Collection by Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture (Tōkyōto Rekishi Bunka Zaidan). Extracted January 21, 2022.
- 2024-12-10