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テームズ河の朝霧

Morning Mist on the River Thames

白滝幾之助

SHIRATAKI Ikunosuke

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Artist

白滝幾之助

SHIRATAKI Ikunosuke

Title
テームズ河の朝霧Morning Mist on the River Thames
Year
1909(明治42)年頃c.1909
Medium
油彩・キャンヴァス, 額装Oil on canvas, Framed
Dimensions/duration
33.3×45.5;外寸:54.5×65.8×7.5
Inscriptions/marks
左下:Shirataki.Signed lower left: しらたき
Collection
サイトウミュージアムSaitou Museum
Accession number
1591000
Notes
作品解説: 山本芳翠や黒田清輝に学んだ白滝は、東京美術学校卒業の8年後にアメリカ、イギリス、フランスへと約7年間留学した。テームズ河(テムズ川)のあるイギリス・ロンドンへは留学期間に2度滞在しているが、本作はクロード・モネの表現をしっかりと研究し、自己のものとしていることから後半のロンドン滞在時期に描かれた可能性が高い。留学後の白滝の作品はモネとはことなる光のとらえ方に移行したが、幽玄さをたたえた独特の表現はこの留学時期の研究によるところが少なくないものと思われる。旅行ガイドブックなどでよく見かける、ビックベンの時計塔と英国議会の議事堂であるウェストミンスター宮殿。川面に蒸気船が浮かぶ100年以上前のロンドンである。 光が刻々と変化する時間帯、写生するのが難しい。画面全体に淡いオレンジ色と青色がやわらかく混じり合い、見る人の頭の中ではその二つの色の中間に位置する黄や緑の色彩が感じられるように仕掛けられている。 本作はあきらかにクロード・モネとの関連が指摘できよう。モネもこの場所を好んで何十枚もの作品を仕上げ、白滝がこの絵を描いた5年前のパリの個展で高く評価された。 モネの作品に影響を受けた画家は多い。白滝幾之助も、きっとモネを意識してこの場所から描いたに違いない。ただし、白滝のその後の画業から推測すると、モネの絵画に含まれる光の美しい表現よりも、幽玄さや崇高さといった、言葉では表せない感覚を追体験しようとしたのかもしれない。(サイトウミュージアム学芸員 田中善明)
  • Data created by Saitou Museum. Provided March 31, 2025.
  • 2025-07-08
  • 2025-07-08
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